納得がいかない。この1年で美容室を2回変えている。きっかけは、それまで通っていた美容室のカット代が、昨年の春、4,400円から5,700円へと大きく値上がりしたことだ。実に29%の値上げである。もちろん、今はインフレのまっただ中で、いろんなものの値上げが進んでいる。ウクライナで戦争が続いていたり、エネルギーが高騰していたり、鉄や半導体が不足していたりで、仕方ないところはあるのだろうと思う。でも、それと美容室のカット代はどのように関係するのか。もともとの価格が良心的な設定だったこともあるけど、いくらなんでも乱暴すぎると感じて、少しでも安い美容室を探すことにした。
探してみれば見つかるもので、家から歩いていけるところに、4,900円で切ってもらえる店を見つけた。幸い腕の良い美容師さんで、何度か通ったのだけど、今度はその美容師さんが転勤になってしまった。「転勤ってあるんだ…」と思ったけど、連絡をもらってから二週間後に本当に転勤してしまった。せっかく慣れてきた担当者がいなくなってしまうのは残念だ。その人のカットは気に入っていたし、転勤先もなんとか通える範囲だったから、その後も新しい店に行って、お世話になることにした。
新しい店で切ってもらってから気づいたのだけど、その店の価格は前の店の価格よりも500円ずつ高く設定されていて、カット代は5,400円になっていた。まあ、街の中心部にある店だから仕方ないかと思うことにした。しばらくすると、今度はその美容師さんが昇格するという。「昇格ってあるんだ…」と思ったけど、連絡をもらってから二週間後に本当に昇格してしまった。「スタイリスト」から「トップ・スタイリスト」になったのだ。そうすると、指名料というものが必要になってくる。これまでのカット代5,400円に、指名料500円が加わり、合計金額は5,900円になった。
何かが間違っている。うっすらとそう感じながらも、日々の仕事が忙しくなり、そんな心にも向き合うことができないまま、惰性でその店に通い続け、数ヶ月が過ぎた。そして今月予約を入れようとネットを開いたところ、カット代が5,500円に値上がりしており、指名料500円と合わせて、合計金額が6,000円となっていた。ここにきて、ようやく気づいた。自分は間違っている。もともと通っていた美容室を変えたのは、29%という乱暴な値上げに応じ、カットのために5,700円を支払うことを、受け入れないと決めたためだ。その自分は今、けっこう遠くにある新しい店に通い、6,000円のカットを予約しようとしている。
こうなったら、あまり格好良くないけど最初の店に戻ろう。少なくとも家から近いし、今の店より安い。「お久しぶりです」と笑顔で挨拶すればいいだけのこと。そう思って予約を入れようとしたら、2ヶ月以内の再来のお客様は5,700円だけど、新規その他のお客様は6,200円とのこと…厳しい世の中。今、心を落ち着けるため、このブログを書いている。