夕食を食べ終えると、自然と眠くなる。食器を洗い、お茶を飲み、本を読んでいると、いつのまにかうとうとしている。そのまま横になり、眠りにつく。当たり前のことのように思えるけれど、以前はこうしたことがなかなかできなかなかった。
やりたいこと、やらねばならないと感じることが山のようにあり、夕食を終えてからも忙しく動いていた。何かをしていないと置いていかれるような焦燥感、何かに励んでいないと何者にもなれないような切迫感、何かに突き動かされるように考え続け、深夜2時頃になって疲れ果てて寝るという毎日だった。
そうした行動が今につながっていることももちろんあるし、自分なりに努力する過程で充実感も得てきた。だから、以前のスタイルを完全に否定することはしない。でも、今はもうできないと思う。少し疲れたということもある。だがそれ以上に、果てしなく努力を重ねる姿が、自然な状態でなかったと感じるからだ。今の自分とは違う何者かになりたい、ならねばならない。今持っていないものを得たい、得なければならない。そう思いながら頑張ること自体が、実は自分を苦しめていた。苦しさを感じていることを、自分の未熟、目標への未達のせいにしてさらに頑張り、いつまでも苦しかった。
ある時、疲れた。疲れていることを認めた。そして早く眠ることにした。21時になったら、有無を言わさず電気を消し、やっていることをやめ、布団に入って目を閉じることにした。すぐに眠れるようにはならなかったけど、とにかく何も考えないようにして、目を閉じて朝までじっとしていた。夜いつまでも難しいことを考え、何とかしようと頑張ることはやめ、とにかく寝ることにした。
しばらくして、眠れるようになった。今では夕食を食べ終えると自然に眠くなってくる。朝起きた時に覚えていることややりたいことがあれば、それらをその日にやることにする。どうでもいいことは眠っている間に忘れ、自然と脳と心が整理されていく。今ではこんなスタイルに自然な心地良さを感じている。一体、誰に何を証明しようとしていたのだろう。何かになろう何かを得ようと走りつづけるのもいいが、自分の自然な状態を保つことも大切だと思う。そのためにも、時間がきたら消灯。おすすめです。