投資に踏み出せなかった頃
投資を始めようとしていた頃、投資した直後に株価が暴落するかも知れないという思いが強く、なかなか踏み出せない時期が続いた。恐る恐る少額の投資信託を購入しても、数日後に株価が下落し、少しでも元本を割り込んでいると恐ろしくなり、売却することはなかったものの、それを機に積立を中断してしまったりしていた。
最近の考え方
それから時が流れ、何回かの大きな下落や上昇を経験していくうちに、資産の変動には徐々に慣れてきたように思う。株価の変化に惑わされることなく、世界経済の長期的な成長に確信を持つようになったことが根本的な理由だ。一方で、株価の下落や上昇といった変化そのものにも、希望を持つようになってきた。株価の下落は決して愉快なものではないが、考え方によってはこれまで高値で販売されていた株を安値で仕入れることのできるバーゲンセールと捉えることもできるようになってきた。
こうなると、投資初期に少しの下落で売却を考えたり、積み立てを中断してしまったりしたことが、愚かなことに思える。数年経った今となっては、当時の株価よりも大きく値上がりしているわけで、株価が下落していた当時は絶好の買い場だったわけである。正直もったいないことをしたとも思うが、株を売却することなく、しばらくしてまた株を購入し始めたので、少しずつ慣れながら成長してきたものだと微笑ましくも思う。
将来に向けて
今後もきっと下落の場面は訪れる。それはこれまでにない暴落かもしれない。でもその時は淡々と投資を継続できる自信がある。世界規模で見て人口が増え、技術が発展し、法が整備されていけば、市場経済はインフレを上回る速度で成長する。その大きな方向性を見失わなければ、自信を持って市場に資金を投入し続けられる。市場が成長し、規模が大きくなる程に、一時的な下落の幅も大きくなるが、長期的には回復しさらに制していくことになる。下落の際の不愉快な気持ちは、そうした市場の成長を享受するゲームに参加するための、いわば参加費ともいえる。