Yubo’s Blog
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予想をせず、変化に備える

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全体をサイクルで捉える

世の中のあらゆるものには、サイクルがあるように感じられる。いい時もあれば悪いときもある。どちらも永遠には続かない。経済の循環、企業の成長、投資環境、日々の生活、そして人生について、もうこのままずっと状況が変わらないのではないかという思いに捕らわれていると、ふとしたきっかけで状況が反転する。そうした動きを正確に予測することは不可能だが、全体をサイクルとして捉えると、今自分が立っている場所がその中のどの辺りにいるのかを大まかに予想することはできるように思う。別の言い方をすれば、将来を予想することはできないけれど、変化に対する準備をすることはできるように思う。

人間の不完全性

経済については、好況と不況を繰り返す循環が見られることは広く知られている。いわゆる景気循環といわれるサイクルが発生する原因について、これまでいくつかの書籍を読んでみた。多くのものは数値的な根拠をもとにサイクルの発生メカニズムを説明していたが、いちばん腑に落ちたのは、経済の変動要因を人間心理に求める考え方だった。経済を動かすのが人間であり、その人間が不完全な判断を繰り返すことで、経済状況が変動するという説明だ。人は感情的で、客観性に欠け、同調圧力に弱く、見栄を張り、容易に誤解し、思い込みを抱く。非合理的な判断を下し、非効率的な習慣を捨てない。かなりの欠陥をもつ存在だ。そんな人間が国や企業の意思決定を行い、その決定を批判し、覆し、別の方法を模索する。社会のプレイヤーが不完全な人間であることが、そもそも経済を一直線で安定的な成長させることを不可能にしているという説明だ。

不完全な人間が行う経済活動が、この先どのようになるのか予想するのも人間であるから、予想の精度は当然正確なものとならない。好況の時は、楽観的なものの見方が日常的になり、利益の急激な上昇に熱狂し、高成長がこのままずっと続くような考え方が支配的になる。利益が下落することよりも、今の成長の波に乗れずに置いておかれることを恐れるようになる。反対に、不況の時は、悲観的なものの見方が日常的になり、市場価値が大幅に下落するのではないかという懸念が広がり、社会はもう衰退から抜け出せないという考え方が支配的になる。その結果、実体経済を上回るような上下動が、市場で見られるようになる。人間が過ちを繰り返すのだから、常に経済は動き続けるという考え方は、人間の不完全性を認める立場として、直感的に納得できるところがある。

不完全性を見極める側になる

不完全性は人間のもつわかりやすい欠点だが、この欠点が将来なくなることは現実的に考えられない。人は過去に過ちを犯してきたし、現在も過ちを犯しているし、将来も過ちを犯していく。反省し改善しながらも、次々と別の過ちを犯していくと考えられる。この前提は、人と向き合う際には厄介なことだ。一方で、市場と向き合う際には、人が過ちを犯すという習性を認識することが勝機になり得る。自分が過ちを犯す側でなく、見極める側になれれば、市場の動きを逆手に取ることができると考えられるからだ。

もちろん、多くの人は見極める側に立とうとしているはずであり、状況を分析する能力を持つ人も多くいるはずだ。ただ、状況を分析できても、不完全な心理の影響に耐えられる能力を持つ人は少ないと感じる。多くの人が同じような判断を下すけれども、その判断の結果どう振る舞うかについては、かなり大きなばらつきが見られるように思う。誤解、思い込み、集団心理、同調圧力、感情の揺れ動き。そうしたものに左右されずに行動できることまで含めて、見極める側にならなければならない。

予想をあきらめ、変化に備える

その際に大切なのは、市場の動き全体をサイクルとして捉え、今自分が立っている場所がその中のどの辺りにいるのか大まかに予想することだと思う。将来を予想することを諦めた上で、全体の中での現在地を想像し、次の変化に対する備えること。おそらくそれは、社会の風潮と逆の動きをすることになると思われる。暴落の時こそ買い向かい、世間が活況に沸く際に保守的な運用が求められるようになるというように。自分を含めた人間を外側から観察し、社会経済が全体のサイクルのどこにいて、これからどこに向かおうとしているのか想像する。正直なところ、一人の人間としてそんなことができるとは思えない。しかし、意識することで、少しだけ優位に立てる可能性はあると考えている。

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ゆぼ
ゆぼです。自由に、幸せに生きていくことが目標です。おいしい食事と心休まる音楽が好き。じゃがいも育てています。

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