日常の生活を送っていると、周囲に合わせた行動を取ることが求められる。意識しなくても、多くの人は、職場でその日のスケジュールに合わせた時間管理、服装、言葉づかいをしている筈だ。周囲の人との会話に、失礼のないよう心がけてもいる。少しでも評価されたい、自分をよく見せたいという意識もあり、周囲の求めるような行動をしてしまうこともあるかもしれない。あたりまえの行動かもしれないが、これは結構なストレスだと思う。
誰でも自宅にいるときの方がリラックスした状態で過ごしていると思う。自宅では、楽な服装をして、自分の体調に合わせた空調を設定し、好きなタイミングで食事をとることができる。これに対し、オフィスでは多くの人が集まり、窮屈なビジネススーツを纏い、一律に設定された冷暖房に我慢しながら働く。昼休みの時間も決まっていて、街に出てもどこの店も混んでいる。通勤時間も大体同じだから、どんな交通手段を使っても混雑が発生する。こうした環境は明らかにストレスになるものだけれど、仕事とはそういうものという価値観が一般的で、多くの人はこうした環境に慣れることに努力してきたように思う。
でも、コロナがきっかけとなって、在宅勤務やリモートワークが、半ば強制的に社会に導入され、多くの人がもう気づいていると思う。ストレスのない環境で努力することなく成果が出せるなら、その方がいいと。もちろん、対面でコミュニケーションをとる方が、話が速く進む場面もあるし、信頼関係の構築には不可欠ということも考えられる。だから、バランスよくオフィス勤務とリモートワークが自然な形で併用されていくことを期待している。仕事の目的はやはり成果や生産性の向上であって、ストレスをもたらす環境に耐えることではないのだから。快適な環境は、成果や生産性の向上につながりやすい。もっともっと、リモートワークが活用される社会になるといいと思う。